むし歯とは、ミュータンス菌などのむし歯原因菌が出す酸によって、歯のカルシウムが溶かされ、歯がもろくなり、ついには穴が開いてしまう病気のことです。
むし歯は歯周病と同じように、重症化するまで自覚症状が出にくいため自分自身では気がつきにくい病気です。しかし、歯に穴が開く前に定期健診などで発見できれば、元の状態に戻せる可能性があります。
むし歯は様々な要因が重なって発生します。その要因のうち大きく関わっているのが、糖質(ショ糖)、むし歯原因菌(ミュータンス菌)、歯質(エナメル質・象牙質)です。
むし歯は初期の状態では自覚症状が出にくい病気です、歯科医院で定期的に検診をおこない。お口の中の清掃(プラークコントロール)をしてむし歯原因菌(ミュータンス菌)を取り除くことが大切です。初期のむし歯であれば、適切な清掃とフッ素塗布により削らずに経過をみることが可能です。
治療済みの歯にむし歯が再発する「再発むし歯」や歯ぐきが下がった部分に生じる「根元むし歯」などがあります。大人むし歯は、子供むし歯と比べて痛みを感じにくいのが特徴です。進行しても気づきにくく、痛みが出たり違和感を感じた時には手遅れということも多いです・・・。
最近、歯科医院を受診していますか?「大人むし歯」は、なかなか症状の進行に気がつかないため、知らず知らずのうちに悪化してしまうことが多いです。歯は年齢が上がるに連れて、失われています。歯が抜けると食べたいものが食べられなかったり、顔貌に影響が出る可能性があります。
近年は口腔衛生の意識の高まりから、成人の歯の残存数は昔と比べて増加傾向にあります。しかしその一方で、残ってる歯をむし歯にしてしまう大人の方が増えています。グラフは40歳代の歯を失う原因を表したものですが、その第1位はむし歯によるものです。
「大人むし歯」は、困ったことに神経をとった歯や一度治療した詰め物、被せ物の見えないすき間に出来やすいため、歯が痛む・しみるなどといった症状が現れにくく見落とされがちです。 また、高年齢者に多発する歯ぐきが下がった歯の根元部分のむし歯は、年齢とともに象牙質が厚くなるため、痛みを感じにくくなる傾向にあります。
一度治療をしたからと安心せずに、治した詰め物・被せ物に問題がないか。歯肉が下がったことにより歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯の根元にむし歯が出来ていないか定期的な検診をお勧めいたします。
フッ素には、歯からカルシウムが溶け出すことを抑制する力があります。同時にいったん溶け出してしまったカルシウムを歯に取り込む働きも知られています。定期的に塗布することで歯の質そのものを強化してくれます。さらに、フッ素はむし歯の原因菌自体の活動を抑える働きももっているため、むし歯予防に大変効果的な成分といえます。
子供の歯は、とても敏感でむし歯になりやすいです。歯は永久歯に生えかわるとその後一生使うものです。子供のころからきちんとケアをする習慣をつけることで子供の幸せに繋がります。子供のむし歯ができやすいところは、前歯と奥歯です。また、乳歯が抜けて生えかわって間もない永久歯はエナメル質が未成熟でやわらかいため、むし歯が進行しやすい状態です。
口の中にはさまざまな種類の細菌が存在します。その中でむし歯の原因菌は「ミュータンス菌」といいます。ミュータンス菌は、食べ物や飲み物に含まれる当分を餌として増殖し、粘着性のある物質、歯垢(プラーク)を作って歯の表面に付着します。それと同時に、酸を作り出します。
酸の作用により、歯垢(プラーク)が付着した歯の表面からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出します。これを「脱灰」といいます。脱灰が持続した状態が続くと、歯の表面に穴があいてむし歯になります。
・乳歯や生えたての永久歯はエナメル質がやわらかい
・生えかけの歯は汚れが溜まりやすい
お父さん、お母さんと一緒に「歯磨き練習」
お父さんお母さんと一緒に「歯磨き練習」
・小さなお子さんには歯磨きに慣れてもらう必要があります。成長とともにできることを増やして磨き残しのないように練習をしていきましょう。また、10歳くらいまではご両親が仕上げ磨きをしてあげることが大切ですので一緒に練習をしていきましょう。
当院ではフッ素塗布に特に力を入れております、乳歯や生え変わったばかりの永久歯はまだ未成熟で、とてもむし歯になりやすい状態です。クリーニング、歯ブラシ練習のあとにフッ素を塗布し、歯を強く硬くすることでむし歯になりにくい歯にしていきます。一言にフッ素といっても種類があります
小さなお子さんには歯磨きに慣れてもらう必要があります。成長とともにできることを増やして磨き残しのないように練習をしていきましょう。また、10歳くらいまではご両親が仕上げ磨きをしてあげることが大切ですので一緒に練習をしていきましょう。
まずは楽しく歯医者さんに通ってもらうことから歯医者さんに通ったことがなかったり、恐がってしまうお子さんはまず歯医者さんにたのしく通ってもらうところからはじめていきましょう。歯科医院は特有の匂いだったり、器械の音などお子さんが怖いと感じるものが多くあります。特に歯を削る器械は先端がとがっていて、いきなりお口の中に入れると怪我をしてしまう可能性があります。
一度『歯医者さん=怖いところ』というイメージも持ってしまうと、今後の口腔内の環境に大きく影響してしまいます。当院では、まずキッズルームで遊んでもらったり、絵本を読んで歯医者さんのことを知ってもらい、慣れてきたら診療室へ、そこで実際に器械を「見て」「聞いて」「さわって」もらって少しでも興味をもってもらう時間を作っています。器械にも慣れてきたら、歯磨きの練習やクリーニングなどの安全な治療から始めていきます。
生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内はむし歯菌がまだ住み着いていません、他の菌も唾液で流されやすいため、ほとんど細菌が存在しない状態です。赤ちゃんは様々なものをお口に入れてしまうため、細菌は徐々に侵入してきます。しかし、むし歯の原因となるむし歯菌はほとんどが家族など、他の人の唾液から感染します。
食べ物の口移し、食器の使いまわし、食べ物を「フーフー」と冷ましてあげたり、スキンシップのキスもむし歯菌が侵入する原因となります。むし歯の出来やすさは遺伝が関係していることは少なく、ご家族の努力によってほぼ防ぐことが出来ます。逆に言えばむし歯の原因を与えてしまっているのはご家族のせいでもあるわけです。
むし歯になりやすいかそうでないかはおよそ3歳までに決まります、これを「感染の窓」といい口腔内の細菌叢(常在菌の確立)ができあがる3歳頃までは注意しながらお食事をしましょう。
歯が生えてきて歯ブラシを使っていきなり磨くと、歯磨きを嫌がるお子さんが多いです。歯が生える前から少しずつ、お口のケアに慣れるよう歯ブラシの練習をしておくと歯磨きが必要になった時の受け入れがしやすくなります。
最初は綺麗にあらった指でお口の中を少しづつ触ってあげることからスタートしましょう、慣れてきたら湿らせたガーゼやスポンジなどを使って拭いてあげましょう。毎日必ずやらないといけないわけではないので、お時間の取れるときに親子のスキンシップとしてお口のケアに慣れてもらうといいと思います
下の前歯(下顎乳中切歯)が2本生え始めます。
上の前歯(上顎乳中切歯)が2本生え始めます。
上下2番目の前歯(乳側切歯)が合計4本生え始めます
上下の奥歯(第1乳臼歯)が計4本生え始めます。
上下の八重歯(乳犬歯)が計4本生え始めます。
上下の奥歯(第2乳臼歯)が計4本生え始めます。
すべての乳歯(20本)が生え揃います。
歯ブラシに慣れていないうちはお父さん、お母さんの仕上げ磨きがとても大切です。日々の歯ブラシとフッ素塗布、定期的な検診でむし歯のない口腔内を目指しましょう。
毎日歯ブラシをしているのにむし歯になってしまう・・・。そういうお子さんは多いと思います。サッと磨くだけの歯ブラシや歯ブラシがうまく当てられず磨き残しがある場合は毎日歯ブラシをしていてもむし歯になりやすいです。お子さんも大きくなってくるとお父さん、お母さんの仕上げ磨きを嫌がることもあると思いますが、とても大切な歯ですので10歳くらいまでは確認も含めて気にかけてみてあげてください。
むし歯菌はいつかはお口の中に侵入してきてしまいますが、その感染の時期が遅ければ遅いだけ将来的にむし歯になるリスクは低下します。特にお子さんにはむし歯菌に感染しやすい時期があり生後19か月(1歳半)~31か月(2歳半)の間は特に注意が必要です。お子さんをむし歯から守るためにはご家族や周りの方の協力が必要です、お子さんにむし歯菌が感染しないようにご家族の方の口腔内も清潔にして、むし歯があったら治療しておくことがお勧めです。